こんにちは。そんちょーと申します。
Excelでテストしてますか?
Excelの各行にテスト項目が書いてあって、一行ずつOKとかNGとか書いていくやつです。
僕はやってます。
その作業をしていて、効率化の余地が結構あるなと思ったんです。
そこでExcelテストをちょっと楽にするツールを作りました。
ここ(https://github.com/MatsumotoDesuyo/ExToolsForExcelTest/releases)からダウンロードできます。
まだベータ版ですが、僕と同じ境遇の方、もしくはQAエンジニアの方、是非使ってみて、少しでも仕事を楽にしてください。
MITライセンスです。
僕は世界から悲しみを少しでも減らすためにエンジニアになったのです...
できること
- 開発したアプリにフォーカスしたまま、Excelにテスト結果を残せます。
アプリとExcelをマウスで行き来したり、Excelの所定のセルを探したりする必要はありません。 - OKやらNGやらをタイプする必要もありません。
- 次にテストするべき項目が一番上の行に表示されるので、テスト項目の見間違えを防げます。
- エビデンス(キャプチャ画像)も自動で取ってExcelに保存してくれます。
機能
- Alt+9で、Excelの指定の列にOKと書いて、次の行にフォーカス移動&次の行を一番上にスクロールします。
- Ctrl+Alt+9で、Excelの指定の列にNGと書いて、次の行にフォーカス移動&次の行を一番上にスクロールします。
- Alt+0で、1行スキップしてくれます。
- Alt+8で、Alt+9の動作に加えて、アクティブなウィンドウのスクリーンショットも指定のシートに残します。
- Ctrl+Alt+8で、Ctrl+Alt+9の動作に加えて、アクティブなウィンドウのスクリーンショットも指定のシートに残します。
- これらのショートカットは、フォーカスの当たっているアプリに関係なく、WindowsOS全体で動作します。
- ショートカットで入力対象となるExcelのワークブック名、ワークシート名、OK、NG等の入力文字、及び入力場所は自由に設定可能です。
なぜ作ったか
Excelでのテストって辛い...
今時Excelじゃなくてテストコードでテストしようぜって思う方もいるかもですが、
受託開発系の現場だと繰り返し作り直すってことが少ないからコストメリットが出なかったり、メンバーのスキルレベルにばらつきがあったりで、結局Excelでちまちまテストした方が早いし安いってことが多いんです。
受託開発って最後は安さ勝負になる面がありますし。
そんなわけで現場によってはExcelテストから逃れられないのです。
でもExcelのテストって辛い。
何が辛いって、開発の後半の意識が朦朧とてきた頃に何百とあるテスト項目を一つ一つ手作業でチェックしていくわけで、そんなの人間がミスらないわけがないですよね。
でもテストでうっかりバグがあるところをOKってやると、お客さんからかなり詰められる。
テストはちゃんとやらなきゃいけない。
じゃあいかに楽に、確実にやるかって話だと思うのです。
本質的じゃない作業はやらない
Excelを使ったテストを一項目やるときの手順を洗い出してみます。
- Excel上の、次のテストを行う行に間違いがないか確認(いっぱい行があるからよく行を見間違える)
- Excelで次のテスト内容を確認
- マウスを動かしてテストをするアプリにフォーカスを移す
- アプリ上で指定の動作の成否を確認
- 動作結果のスクリーンショットをクリップボードに保存
- マウスを動かしてExcelにフォーカスを移す
- Excelの所定の行にフォーカスを移す
- OKとかNGとか残す
- Excelのエビデンスを残す場所にフォーカスを移す
- スクリーンショットをExcelに張り付ける
細かく書くとこんな感じでしょう。多いですね。
このうち、テストに本当に必要なのは以下の二項目だけです。
- Excelで次のテスト内容を確認
- アプリ上で指定の動作の成否を確認
他は本質的な作業じゃないし、人間様がやらなくてよいでしょう。
ということで、このアプリを作りました。
使い方
最新のRelease.zipをダウンロードして展開します。
ダウンロードしようとするとブラウザが警告を出すかもですが、それはこのソフトがWindowsOS全体で適用できるショートカットを作るために、キー入力を監視しているからですね。
つまりキーロガーが仕込まれているんじゃないかってブラウザは警告してくれているわけです。
もちろん仕込んでないし、ソースコードは公開しているので安心して使ってください。
Release.zipの中に入っているExToolsForExcelText.exeを実行すれば、バックグラウンドで起動し続け、ショートカットを使えるようになります。
Windowsで警告が出るかもしれませんが、それも多分上と同様の理由ですね。気にしなくていいです。
ショートカットを使うには、対象のExcelファイルが開いている状態である必要があります。
タスクトレイのアイコンをクリックすれば、各種設定が行えます。
入力項目としては、
・ワークブック名に、OKとかNGとか記入するExcelのファイル名
・テスト用シート名に、OKとかNGとか記入するExcelのワークシート名
・エビデンス用シート名に、エビデンスの画像を張り付けるシート名
・テスト通過時テキストに、OKとか〇とか、テストが通過したときに入力する文字列
・テスト不可時テキストに、NGとか✕とか、テストがダメだったときに入力する文字列
・テスト番号のカラムに、テスト番号が入力されている列名(エビデンス画像貼り付け時に使用。無いとエビデンス作成時に落ちる不具合を確認済み)
・テスト内容のカラムに、テスト内容が入力されている列名(エビデンス画像貼り付け時に使用)
・テスト結果のカラムに、OKとかNGとかを入力する列名
・上余白行数に、テスト結果入力後の自動スクロールした際の上余白行数を指定(これ行と列を逆に表記してますね)
・エビデンス画像サイズに、Excelに貼り付ける際のキャプチャ画像の縮小倍率を指定
という風になっております。
これらを設定して、「適用」ボタンを押せば設定の変更が適用され、次回起動時も同じ設定で起動できます。
ショートカット欄よりも下の項目は開発中なので、見なかったことにしてください。
よろしくお願いします。
今後の展望とお願い
これはOSSです。MITライセンスです。GitHubでソースコードを公開しています。
https://github.com/MatsumotoDesuyo/ExToolsForExcelTest
そしてまだまだベータ版です。
今公開しているのは最小限の機能で、これからもっと作りこんでいくつもりです。
なので、同じ悩みを抱えているエンジニアの方には、開発に参加してもらえると嬉しいです。
言語はC#、.NET Frameworkです。
・コメントの追加
・バグの指摘や修正
・テストコードの作成
・リファクタリング
・機能追加
・Readmeの追記
全部歓迎です。
プルリクエストしてくれるととてもうれしいです。
以上です。
お互い頑張りましょう。